企業のPCはだれのもの?(その後…)

前号「企業のPCはだれのもの?」をお届けしましたが、
今回は「その後」をお伝えします。

ある日のこと、お客様から電話があり「本社からネットワーク管理者が
来ているので現状を説明に来てほしい」とのことでした。前回も書いたように
お客様のネットワークでは毎回、今まで遭遇したことがないトラブルに
みまわれるので正直疲れてしまいました。その場では解決しますが数日すると
また…調子が悪いと電話があります。メンテナンス費用を頂いてますし
責任もありますのでそう簡単にメンテナンス契約を解約するわけにもいきません。
どうしようか考えた結果、「再構築の提案しかない!」という結論になり早々
お客様と交渉することにしました。そしてお客様のオフィスを
訪問し打ち合わせ開始です。

本社の管理者 :まず現状のネットワークを教えてください。

私 :PCがx台でインターネット回線は….

本社の管理者 : 本社ではファイルサーバありフォルダーごとにアクセス制限し
        情報を共有しており….

私 : (無言)

本社の管理者:御社はファイルサーバ構築の経験はありますか?

私     :はい。xxx台規模のネットワークに導入実績があります。

本社の管理者:そうですか。このオフィスでもファイルサーバの導入を
       検討したいと思います。

私     :確かにファイルサーバは必要と思います。それ以前に
       色々な業務とは関係のないソフトウェアがインストールされており
       それが原因でPCやネットワークに色々トラブルが発生しております

本社の管理者:(無言)

社長    :いつもPCの調子が悪く困っている!どうにかしてくれ!  

私 : 弊社としては勝手にソフトがインストールされている状況では
       ネットワークを再構築するしか解決の方法はありません。

社長    :すでに日本の本社へ予算を申請しているので早速、見積りをください。

あれっ?あっさり「再構築」という結論になりました。そして….
2週間かけ無線LANとファイルサーバの導入、PCの再インストールなどが
無事終了しました。OSをWindows2000に統一し、サーバでアカウントやアクセス権を
管理し勝手にソフトウェアをインストール出来なくしました。
もちろんウィルス対策も完璧です。弊社からインターネット経由で
リモート監視していますが、その後はトラブルなく平和です。(よかったよかった)

今、先日購入した家具を組み立てに業者が来ております。
4名来ました。でも….作業をするのは3名です。1名はマネージャーなんです。
組み立て作業はしません。部下が仕事をするか監視しているのです。
じぃ~っと見てます。中国では自分の担当以外のことは絶対関与しません。
徹底した完全分業です。例えば緊急トラブルでお客様へ電話するとしましょう。
担当者が不在であったので電話に出た人に緊急だと伝え対応をお願いしょうとしても
対応してくれません。「何かあったら自分のせいにされる…」という
考えなのでしょうか?日本のサラリーマンのように「会社のために!」ってなことは
あまりないようです。文化の違いですね。


■ あとがき

ようやく上海も少し涼しくなってきました。

最近ふと思ったのですが、私はコテコテの技術的な思考の人間ですが、
知り合いにはなぜか同じ業界の人よりぜんぜん関係ない業界の知り合いの
ほうが多いのです。コンサルティングや建設業など….ここ数年は出張や
駐在であちこち行く機会があるからだと思います。
違う思考の人と話すと色々と刺激になります。
次回の配信は2003/10/01を予定しております。