中国でのネットワーク構築 (その1)

長年中国でネットワークを構築していると様々な経験をします。

あるお客様の工場でインターネット回線の切り替えとネットワークの
構成変更作業を実施した時の話です。その工場では部門ごとにネットワークが
構築されており弊社が担当した部門以外は現地の業者が担当しておりました。
今まで部門ごとにADSL回線をひいておりましたが、光回線に集約することに
なりました。光回線の部分は電話局が担当しました。ネットワーク機器が
収められているラックをみるとONU(光終端装置)とルータがあります。
そこに他部門で使用するハブやルータもあります。
回線は開通しているとのことですのでさっそく弊社が導入したルータも
切り替えるためにまずはIPアドレスの情報を現地業者から聞くことにしました。

私: ネットワーク構成を教えてください。

業者:はい。(ラックを見ながら説明….)

私:わかりました。では、こちらのルータで使用してよい
  「グローバルIPアドレス」を教えてください。

業者:こちらのネットワークのIPアドレスは….(業者が構築した
   内部ネットワークの説明をしてます。質問の意図が伝わっていない)

私:違います。インターネット回線に割り振られている
  「グローバルIPアドレス」です。

業者:これです。(また、内部ネットワークの説明です)

私:違います。ではルータの設定ファイルか設定画面を見せてください。

業者:ないです。

私:インターネットに接続しているルータはこれですね?
  では、このルータのこの部分の(背面のケーブル接続口を指差し)
  IPアドレスは何ですか?

業者:それは電話局が設定したのでわかりません。

私:(そんなわけない…)ではルータ(業者が設置した)の設定ファイルか
  設定画面を見せてください。

業者:ないです。

説明のために業者が書いた図をみるとグローバルIPアドレスが設定さている
PCが1台あるではないですか!

私:このPCのネットワーク設定画面をみせてください。

業者:これです。

解決。

IPアドレスを聞き出すのに30分…
その後も様々な出来事に遭遇します。続きは次回…


■ あとがき

来月、自社に設置してあるサーバをデータセンターに移設することにしました。
サーバの設定は完璧でも停電や回線障害が不安ですので…
移設時にも様々な出来事に遭遇しそうです….