ADSLのトラブル
今回は上海でのADSLトラブルについてお届けします。ADSLは一般的に
交換局からの距離やノイズなどによって思ったほどスピードが出ないとか
切断されるなどのトラブルが発生する可能性が高いようですが、上海では
それ以外にも原因不明のトラブルが発生します。
上海近郊のあるお客様の工場でADSLが接続と切断を繰り返し結局、
インターネットが使えなくなるという現象が2週続けて発生した時のことです。
原因を調査していたところ朝と夕方のトラフィックが増える時間帯に
トラブルが頻発していることがわかりました。ルータのログにもはっきり
記録が残っていますので電信局へ問い合わせてみることにしました。
弊社: ADSLに何か障害が発生していませんか?
電信局:場所は?
弊社: ○○です。
電信局:問題ありません。
弊社: ルータを調べたところ○時○分にADSLが切断されたのですが、
原因を調べて頂けませんか?
電信局:担当者に伝えておきます。
弊社: いつ回答を頂けますか?
電信局:明日の朝、担当者から連絡させます。
即答ではないんです。とにかく待つしかありません。
原因調査より復旧が優先ですのでルータを再起動することにしました。
すると復旧しました。そして1週間後….またトラブル発生です。
ログには前回と同じエラーが記録されています。
電信局に電話しましたが以前と同じ対応でしたのでとにかく弊社の社員と
2人で現場へ行くことにしました。そして何度も電信局へ電話し
ようやく電信局から担当者が来ることになりました。
来ました…2人。一人は若い技術者です。とてもクセがありそうな感じです。
そしてもう一人は…コワそうです…いや、コワイです。
トラブル対応のために雇われている怖いお兄さんといった感じです。
さっそく電信局の2人に状況を説明しました…聞いてません。
ログを見せても…見ていません。とにかく電信局は悪くないと言い張ります。
電信局の技術者に回線を調べてとお願いしたところ…PCを接続して
調べています。(違うって)もっとスゴイ機械で調べてくれるのかと
思っていたのですが…しまいには「あんたが設置した機械が悪いんだろう!」
と言い出しました。とうとう弊社の社員と電信局のコワ~イお兄さんと
口喧嘩になりました。ものスゴイ早口です。声もデカイです。
そして怖いです。誰がって…弊社の社員(女性)が…完全にキレてます。
スゴイです。私が弊社の社員に「もういいから別の方法を検討しよう」と
言うと「うるさい!あなたは黙っていなさい!」と怒られてしまいました。
そう言われて私は…「はい」の一言しか言えませんでした。
30分ほどたっても解決しないようです。
結局、電信局は何も悪くないと言い張るだけで帰ってしまいました。
これではまた障害が発生する可能性がありますので困ってしまいました。
そこで色々考えました。発想を変えADSLは切れるものという考えで
ルータに障害を検知し再接続する設定を追加しました。元々、ADSLの接続が
が切断されたら自動で再接続するようにはなっていましたが、さらに機能を
追加しました。弊社が設置したルータというのは市販されている
ブロードバンドルータではなく自社でカスタマイズしたものでファイアウォールや
VPN,帯域制御などの機能もあります。一般のルータでは出来ないことも
出来てしまいます。特に中国では普通では考えられない障害にも遭遇しますので
自社でカスタマイズ出来るのは強みです。最近、インターネット回線に関する
トラブルについて相談を受けます。色々な会社に問い合わせても解決出来ない
という内容です。そういう時はまず「弊社のルータを導入すれば大丈夫!」
ではなく「まずはインターネット回線にトラブルが発生しても業務を
継続できるような仕組みが必要です!」と回答してます。
ルータの設定変更とテストが終わったので会社へ戻ることにしました。
そして…帰りのタクシでの弊社社員の一言「あ~喧嘩出来てスッキリした」
だそうです。中国でのトラブル対応事例でした。
■ あとがき
先日、日本から上海へ入国の時、荷物検査で引っかかってしまいました。
カバンにはPCのパーツを沢山つめていますピンチです。
次回の配信は2003/12/01を予定しております。