上海でのインターネット事情(その1)

上海ではダイアルアップがまだまだ大きなシェアをしめていますが
ADSLが一部の家庭や企業に普及しています。スピードは512Kbpsか1Mbpsです。
値段は日本に比べ高いのですが、サービスが昔の中国に比べ
大変改善されています。以前、何度か上海で企業の専用線を申請したことが
あるのですが、開通までに2~3ヶ月かかりました。雨が降っているので
工事担当者が来ないということもありました。ADSLと専用線を単純に
比べることは出来ませんが、ADSLの申請から開通まで
上海電信局(日本でいうNTT)の担当者の話しによると
「2週間以内に開通します!」とのことでした。半信半疑に開通を
待っていました。すると…10日間で開通しました。ADSLは局からの
距離にもよりますが、自宅、会社ともに性能は400Kbpsぐらいで回線品質も
問題ありません。開通してから数週間後、上海電信局から電話がありました。
「先日、開通しましたADSLに問題はございませんか?」私は驚きました。
なぜかと言いますと…中国では顧客へのサービスが良くなくても需要があれば
売れるという需要と供給の関係があるように思えるからです。
一般的にお店の店員の対応は「売ってあげるけど要らなかったら買わなくても
他の人が買うからいいよ」という感じです。しかし変わってきているようです。
中国は遅れているというイメージがありますが…確かに遅れている
部分もありますが、発展のスピードは日本の数倍に思えます。
「顧客満足度」という概念が普及しいていけば生活水準が日本と同じか
それ以上になる日もそう遠くはないように思えます。

以前、中国政府によって中国から海外のサイト(Googleなど)へのアクセスが
遮断されたというニュースを聞いたことがあるかと思いますが中国では政府が
インターネットでのやり取りを監視しているようです。2月末、ある日の朝
いつものようにPCを立ち上げニュースサイトをチェックしていたところ
いつもより遅いと感じました。仕事柄いつもインターネット経路をチェック
しているので同じように確認してみました。すると…なんと10倍以上も
遅くなっています。IT関連のニュースサイトには中国政府がデータを監視する
装置を設置したためインターネットの速度が遅くなっているとのニュースが
ありました。さっそく監視装置を探してみました…ありました。
日本への経路を調べてみるとすべて監視装置を経由する設定になっていました。
なぜ監視が強化されたかというと3月は「全国人民代表大会」が
開催されるからです。3週間ほど監視は続けられました。現在のスピードは
以前と同じ速度に回復しています。このようなことがあるとやはりここは
中国だなと実感します。


■ あとがき

いかがでしたでしょうか?ここで一つ便利な情報をご紹介します。
上海でダイアルアップを使用してインターネットを使いたい場合「8163」が便利です。
これは電話番号、ログインID、パスワードすべて同じです。
プロパイダーへの申請は必要ありません。電話料金と一緒に請求されます。
都市によって色々な番号があるようですので現地の人に聞くのが一番早いです。
次回は「上海でのインターネット事情(その2)」をお届けします。
配信は2003/05/01を予定しております。