中国のデータセンター引っ越し(前編)

弊社は中国で複数のデータセンターを利用しております。
ある日…データセンター事業者から
「データセンターを閉鎖するので移転しなさい」との通告が有りました。
「お願い」ではなく「通告」です。

18年ほど中国でITの仕事をしておりますが、中国では長期間サービスを
利用していると「改悪」されることはあっても「改善」されることは
ほぼ無いと思います。そのため今回の引っ越しで、何かが今より
「改善」されることはありません。むしろ確実に「改悪」されること
間違いなしです。そのためいかに現在利用しているサービスと
同等のサービスを移転先のデータセンターで受けることが
出来るかがポイントになります。

まずは移転先候補のデータセンターを見学します。
相変わらず酷いです。こんなところにあるのという場所にあります。
しかも建屋に近づいてもデータセンターということに気が付かずに
スルーしてしまったくらいです。普通の建屋で古い工場のような外観です。
気がつかないのである意味セキュリティー対策になっている…
わけないですが、すべてがこのようなデータセンター
というわけではありません。探せば自社にとっての許容範囲である
データセンターはあリます。後は…自社努力でどうになります…
イヤしなければいけません。

日本と同等のファシリティを希望しない弊社としては「安定」と
「セキュリティー対策」を最重要視しております。
電源はもちろんネットワークが最も重要です。
いくら建屋の外見がキレイでもネットワークが遅くて不安定では
データセンターを利用する意味がありません。

それから見落としがちなのが人の対応も重要です。
運用開始後にデータセンターへ出向く必要がある場合、
時にはトラブルで切羽詰まった状況下で入館手申請することが
あるかと思います。その際、日本の某データセンターのように
申請で1文字間違えただけで入館拒否されたり機器を搬入出来ないようでは
復旧が遅れて大変困ります。安定したサービスの提供が目的なのに
本末転倒です。

セキュリティーも重要ですが…そもそもセキュリティー対策が
十分でもあっても政府機関にハードウェアを没収されたら意味が
ありません。弊社としてセキュリティーは最重要です。
弊社の場合、プライベートクラウドで運用しておりますので
ハードウェアを没収されてもデーターが見えないような
仕組みになっております。重要なデーターは別のデータセンターへ
レプリカしております。これ基本です。

数カ所見学して最終的に今とほぼ同じようなレベルのデータセンターへの
移転を決めました。次に一番大変なサービス内容と金額の交渉です。
私はただワガママを言うだけしか出来ないので…ここは中国人スタッフに
ガンバってもらいます。

次回は中国の「データセンター引っ越し(後編)」をお届けします。


■ あとがき

日系企業のデータセンターは最高です…しかし高い。
でもお客様自身が利用するのであれば日系企業のデータセンターを
強くおすすめします。